idea factory from newspaper 2003 7 23
二重基準(double criterion)
アメリカ政府は、北朝鮮が核兵器開発計画を完全に放棄する場合、
不可侵を保証する用意があるという。
これは、これで、朝鮮半島の平和へ向けて、一歩前進になるかもしれない。
しかし、二重基準ということは事実である。
今回の場合、北朝鮮が保有する核兵器が問題になっているが、
イラクのフセインが核兵器を所有していたのでしょうか。
イラクは、核兵器どころか、大量破壊兵器の存在すら、怪しくなっている。
イラクと北朝鮮、比べてみれば、不公平感が漂いますね。
こうしてみると、イラク開戦は、どういう意味があったのか。
最近では、フセイン独裁政権を倒し、イラク民主化を目指したのが、
イラク開戦の目的だったと変ってきているが、
そうすると、これは、北朝鮮にも、ミャンマーにもあてはまる。
政治家の二重基準でしょう。
政治家は、イラク問題には積極的だが、
人権侵害の北朝鮮やミャンマーには、歯切れが悪い。
これでは、政治家が北朝鮮やミャンマーと何らかの関係があると疑われても不思議はない。
もちろん、この独裁政権が倒れた時に、大量の難民が発生するという問題がある。
さらに、復興費用が膨大であるという事実もある。
こういう問題を明示しなければ、
イラクと、北朝鮮やミャンマーには、二重基準があるとの非難は免れない。
イラク、ミャンマーは、信仰の厚い国でしょう。
北朝鮮は、無宗教の国かもしれない。
これが、難民の発生の有無を分けるかもしれない。
イラク復興(Iraq,recovery aid)
イラクの治安と復興は、相変わらず、遅れている。
現在のところは、イラクの治安と復興は、アメリカとイギリスが中心となっているが、
解決への道のりは長い。
このままいけば、アメリカとイギリスの長期駐留は避けられない。
何年かかるか見当もつかないが、
長期駐留の経費が膨大になること、
ゲリラ戦による犠牲者が増えることは間違いない。
そもそも、正規軍による戦いでは、勝てないのを見込んで、
初めから、ゲリラ戦を想定していた。
だから、イラク国民に、イラク政府は武器を配布した。
そういう見方もある。
こういう状況になれば、イラク復興に関して、国連議決が必要でしょう。
国連議決がないと、イラク復興に関与したくとも、動けない国が多い。
国連議決があれば、今よりは、イラク復興が進む。
くじによる民主主義。
日本では、くじ引きで、民主主義を実施するというのは、見当がつかないでしょうが、
歴史を見れば、くじによる民主主義は、歴史があります。
これが、究極の公平の手段です。
現在では、選挙に出たいと考えても、大きな資金が必要です。
大きな資金がなければ、大きな組織が必要となる。
この時点で、不公平となっているでしょう。
誰でも立候補できるわけではないという不公平がある。
日本では、県議会というレベルで見れば、
議員専業というのは少ない。
多くは、建設会社の社長、一般企業の社長、自営業が多い。
こういう人達で、議会の大部分を占めている。
人口の大きな割合を占めるサラリーマン出身の議員は、いるでしょうか。
これでは、議会が大多数を代表しているとは言えない。
建設会社の社長、一般企業の社長、自営業は、
サラリーマンに比べれば、少数派だが、
この少数派が、議会の多数派を占めていることが大きな問題なのです。
くじによる民主主義は、大きな市では、現実性がないが、
小さな町や村では、可能でしょう。
町議会や村議会に出馬するにも、
やはり金が必要で、組織も必要となっている。
誰でも立候補できるわけではないという不公平がある。